2016-08-24 香炉峰下 新たに山居を卜し草堂初めて成り 偶東壁に題す 日高く睡り足るも猶お起くるに慵(ものう)し 小閣に衾(ふすま)を重ねて寒さを怕(おそ)れず 遺愛寺の鐘は枕を欹(そばだ)てて聴き 香炉峰の雪は簾を撥(かか)げて看る 匡廬(きょうろ)は便ち是れ名を逃のがるるの地 司馬は仍(な)お老を送るの官たり 心泰く身寧きは是れ帰する処 故郷 何ぞ独り長安にのみ在らんや